こんにちは、看護師×患者のみきこです。
簡単に自己紹介します。私は、現役の「看護師」であり「患者」でもあります。
数年間病院で勤務していましたが実際に病気になって患者側になったことでわかったことがあります。常日頃、看護師として働いている時、患者の立場に立って考え看護していたつもりでしたが、実際に自分が患者になってみると全然違いました。
今回、看護師が患者になってわかったことを記事をとして残したいと思います。
Contents
看護師が患者になってわかったこと
話を聴いてほしい
私が入院時一番に思ったことは「話を聴いてほしい」。
考えたらそりゃそうだよね…と思うと思いますが、入院中話す相手がいない。入院中来てくれる人と言ったら、親・友人・看護師・医師・薬剤師など。医療者の中で一番長く接する機会があるのが看護師ではないでしょうか。
面会者もきますけどね、「面会者の親や友人と話したいこと」と「医療者に話したいこと」って違ったりするんですよね。
医療者の観点からアドバイスして欲しかったり、親や友人には心配かけたくなくて言えないな…ということもあります。そんな時に看護師に私は話を聴いてほしいな…と感じました。
共感してほしいとか、同情してほしいわけではなくて、私は気持ちの“共有”をしたかったです。看護師は患者や家族にとって、身近な存在です。
患者は看護師が思った以上に自分の病気について勉強している
私の場合だったら、人間ドックで引っかかったときからです。ネットで「甲状腺とは」「甲状腺 病気」「甲状腺 値」とか何度も検索し勉強しました。甲状腺がんと分かったときには「甲状腺がん 治療」で調べまくりました。
今はすぐにネットで調べられる時代です。若い人だったらなおさらです。思ったより、患者は自分の病気のことを勉強し、知識を持っているということを頭の片隅に入れておいた方がいいかなと思いました。
患者の背景を知っていますか?
患者の背景を知っていますか?
学生?社会人?
職業は?役職ついている?
独身?既婚?子どもはいる?
どこに住んでいる?生活パターンは?どのように生きてきた?
趣味は何?治療に伴う制限はある?
ライフステージによって、悩むこともそれぞれ異なります。ここら辺のことって、授業でも、現場で働いている時にも習うと思うんですが…自分が患者になってみて、深く考えることが出来ていなかったなと思いました。
分かりやすく今回は私の場合を出してみたいと思います。
【身体的苦痛】
- 検査や治療に伴う痛み⇒痛い。もう検査や治療したくないなあ…。
- 治療に伴い日常生活に支障をきたす⇒術後から何もしなくても首が突っ張る突っ張る。放射性内用療法前に、チラーヂンからチロナミンに変更した後、薬の副作用で動悸・発汗・身体がダルい。怠いけど、仕事を休むわけにもいかず頑張ってしまう(患者としてはポンコツ野郎です)。放射性ヨウ素内用療法後も、副作用で、味覚障害になって何を食べてもまずい。入院中の唯一の楽しみである食事さえも、苦痛になる。
【精神的苦痛】
- 不安⇒検査に伴う不安、手術に対する不安、今後の先行きの見えない不安、再発への不安。
- いらだち⇒何故私だけ、病気になってしまった?どうしようもない苛立ち。術後、好きな物食べるぞ~なんて思ってたけど、胸管損傷になって、退院後も脂肪制限する事に。放射性ヨウ素内用療法を受けるにあたって、ヨウ素制限始まる。簡単に「ヨウ素制限してください」っていいますけどね、これ超・超・超・大変なんですよ!!!仕事しながら、ヨウ素制限食を作らなきゃいけない、好きな物食べれない。すっごく大変なんですね。でも、放射性ヨウ素内用療法するときに入院したときも、もちろんヨウ素制限守れているよね?的なスタンスで誰も「ヨウ素制限大変でしたね~」とか声かけてくれないわけですよ!
- 孤独感⇒取り残された感じ。結婚→結婚式→そろそろ子どもが欲しいと思っているところに甲状腺がん発覚→検査・治療開始。28歳というのもあって周りは子どもを産んでいく。それなのに自分は病気の治療があって、治療が終わるまで子どもを産むことも出来なくなり、なんとも言えない孤立感を感じました。
- うつ状態⇒病気が発覚したとき、隔離部屋で関わる人がいなくてうつ状態に。その後もうつ状態が続き、職場を休む。
【社会的苦痛】
- お金の問題⇒検査・治療のたびにお金が飛んでいく。稼いでも検査・治療代へ。
- 仕事上の問題⇒検査や治療の時にはお休みを貰ったりしなくてはいけないし、職場の人に勘繰られる。病気のことって結構プライベートでデリケートな問題じゃないですか。本当は、私も内緒にしておきたかった。でも、職業柄きっとわかってしまうんだろうな…と思ったし勝手に噂されるくらいなら、自分から言ってしまえ!と思って、仲がいい子には直接伝える事にした。本当に心配しれくれる人もいれば、興味本位で聴いてくる人もいてちょっと嫌な気分になった。・・・。嘘です、ごめんなさい。後輩から「病気なのによく働けますね」と言われて、かなーり傷ついた。今ならきっと、言い返せると思うけど、当時は職場に迷惑かけて申し訳ない気持ちもあって、言えなかった。。。
- 人間関係
- 家庭内の問題
【スピリチュアルな苦痛】
- 生きるいみとは?
- 苦しみの意味
病気になったことで、今まで体験した事のない様々な出来事が沢山ありました。
いろんな視点から考えてみて下さい。患者の背景を知ることが、個別性のある看護に繋がるのではないでしょうか。
同じ洋服きてるからみんな同じに見える?
看護師として働いているとき時々言われることはありませんか?「看護師は同じ髪型・洋服着ているからみんな同じ人に見える」って。
どうなのかなあ…?なんて思っていたんですが私は、2回病院で入院生活を送りましたが、そんな事はありませんでした。(笑)
名前を覚えてくれると嬉しい
働いている時に患者さんが名前覚えててくれると嬉しくないですか?患者も同じで看護師が名前を覚えてくれていると嬉しいです。
入院中、看護師と廊下をすれ違った時「〇〇さん、おはようございます」と名前で呼んでくれたときには名前、憶えててくれたんだ!と思い、とても嬉しかったです。それから私も、名前で呼びかけるように意識しています。
「後で持っていきます」よりもだいたいの時間を教えてほしい
この言葉、よく仕事中使いませんか?以前の私も実はよく使っていました。
実際に患者になって、看護師へお願いし「後で持っていきます」と言われて数時間こないときにはいつ頃来るのかな…?もしかして忘れられている…?と不安になりました。
忙しいのはわかりますし、ナースコール押しにくいです。入浴時間の予約をお願いしたのですが、ずっと待っていたら結局忘れられていてその日は入れなかったです…。入浴楽しみにしていたのに…。涙
後で持っていくにも、だいたいの時間を教えてほしいです。
例えば「午前中までに持っていきます」「〇〇時までに持っていきます」とかですね。決めてもらえれば、安心して待つこと出来ます。時間を過ぎているときには、患者側もナースコールで連絡しやすいです。
働いている時「遠慮せずにナースコール押してくださいね。」と言っていました。が、患者の立場になるとナースコール押しにくいです。だって、忙しいの知っていますからね…。
目安の時間を教えてくれれば、患者側も安心して待っていられるし、看護師側もナースコールが減るしお互いメリットがあると思います。
一番最悪なのが、あとで行きます⇒なかなか持ってこない⇒ナースコールする⇒看護師聴きにくる⇒また、あとで行きます。
・・・。
もうその足で持ってきてくれよ~!(#^ω^)
っていうやつ。はっきり言ってお互い無駄な時間だし、嫌な気分になるだけです。
物を動かしたら、戻しましょう
検温で訪室した後など、オーバーテーブルやカーテン元の位置に戻していますか?
自分が動けるときにはまだいいんです。動けない術後などは特に意識してもらいたいです。術後は、ベット周りに必要物品があるか聴いてもらえると嬉しいです。オーバーテーブル、少しでも遠くにあると届きません。術後、看護師が元の位置に戻してくれなくてなんとか足で蹴って戻しました(はしたなくてごめんなさい。笑)。。。
まとめ
患者になって、初めて入院して様々な事を体験して、思った事があります。看護がこんなに奥深いということに。看護の魅力は無限大です。
看護の仕事は3k(危険、汚い、きつい)事もあるし、残業も結構当たり前にあるし、人間関係に悩んだり、暴言吐かれたり、凹む事もある。
それでも、今回入院してみて看護の力って凄いなって思ったし、きれいごとかもしれないけど、看護師って素敵な職業だなって改めて感じました。